まずは子どもをしあわせにしよう。すべてはそのあとに続く。- A.S.Neill
   
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きのくに子どもの村小中学校
 

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キルクハニティとは

 キルクハニティ・ハウス・スクール(
Kilquhanity House School)は、1940年にスコットランドの教育者ジョン・M・エッケンヘッド(1910-1998)が始めた小さな学校です。きのくに子どもの村のモデルとなった学校の一つです。

 エッケンヘッドは、サマーヒルを創設したA.S.ニイルの教育理念に影響を受け、子どもを主体とした学校をスコットランドにつくりました。1940年、第二次世界大戦の最中のことです。学校の理念にはニイルの考えだけなく、アメリカの教育者ジョン・デューイの哲学「なすことによって学ぶ」(Learn by doing)も取り入れられ、子どもと大人が共に学校の仕事をする「ユースフル・ワーク」や農業は、キルクハニティの特徴的な活動となりました。

 しかし1990年代、教育省の視察がたびたび入るようになりました。建物だけでなく、カリキュラムの修正も求められ、エッケンヘッドは国の要求に妥協するのではなく、学校を閉鎖する決断をしました。1997年のことです。

 その後、キルクハニティを子どもたちのための場所として使い続けたいという家族の声もあり、2002年にきのくに子どもの村が敷地と建物を買い取りました。高校生の海外研修をはじめとして、今では中学生の修学旅行、小学生のプロジェクト活動として、多くの子どもが子どもの村から訪れています。

  

 

ありがとう、ガヴィンさん


 2020年113日、キルクハニティのガヴィンさんが亡くなりました。4年間の闘病の末、自宅で家族に見守られてのことでした。

 ガヴィンさんは、キルクハニティの創設者ジョン・エッケンヘッドの息子さんです。子どもの村の子どもたちがキルクハニティに滞在するようになってから20年間、スポーツの授業から旅行の運転、そして敷地や建物のメンテナンスと、キルクハニティでの活動を全面的にサポートしてしてくれました。いつでも子どもたちのことを第一に考えてくれる、心のあたたかい人でした。

 123日、キルクハニティでお別れの会が開かれ、200人もの人が集まりました。子どもの村からも9名の職員がかけつけ、会場となったステーブルには、子どもたちとの写真やメッセージも飾られました。

「しんみりするのではなく、父親のことをみんなで思い出して楽しむ会にしましょう」という長男フェンリーのあいさつのとおり、心温まる思い出話で笑いと涙が交互にやってくる、あたたかい会でした。
 子どもたちがやってくるのを楽しみにしていたガヴィンさん。会えないのは本当に寂しいですが、今年も子どもたちの笑い声がキルクハニティに響くのを喜んでくれることでしょう。


<贈る言葉>(お別れの会でのスピーチ)

みなさん、私は1972年に初めて当時のキルクハニティ・ハウス・スクールを見学に来て、その雰囲気と、ジョン校長その人の人柄にすっかり魅了されてしまいました。ジョンも私に訪問を喜んでくれました。それは、私がイギリスにおけるオルタナティヴ・スクール、とくにサマーヒルとキルクハニティの特別の興味を持っていたからです。

その日、ジョンは私をダンフリーズの駅まで送ってくれたのですが、その時に私に向かっていいました。

「私はサマーヒルのニイルより30歳若い。彼は学校をつくった。この私も学校をつくった。

シンイチロウ、君は私より30歳若い。きみはどうかね。」

私は深く考えもしないで、すぐに答えました。

「もちろんだとも。私もやるよ。」(会場笑)


それから20年、私たちは最初の学校をつくることに成功しました。しかしそのころ、だれ一人として、自分たちの学校の子どもや生徒を今のようにスコットランドまで連れてくるなんて思いもしなかったのです。

2002年、私たちがこの学校の施設を譲り受けることになりました。この時、私たちはガヴィンにここの責任者になってくれるように頼んだのです。彼は引き受けてくれ、とてもいい仕事を続けてくれました。それからしばらくしてアンドルー・パイルが仲間に入ってきてくれました。

今日、この日、私たちは二人の友人に、これまでの仕事に対して心から礼を述べたいと思います。いや、述べないわけにはまいりません。


いい仕事続けてくれて本当にありがとう。

さて、ガヴィン、

これまでがんばってくれてありがとう。

あなたは、いい人だ。

本当にいい人だ。

何べんも何べんもいいます。

ありがとう、ありがとう。(堀真一郎)
 
母親のモラグと散歩するガヴィン(2005年 堀真一郎 撮影)       お別れの日に一面に咲いたスノードロップ