きのくに子どもの村学園について
「新しい学校をつくる会」がイギリスのサマーヒルのような自由学校を日本にも、という趣旨で活動をはじめたのは1984年のことです。サマーヒルというのは、イギリスの教育家ニイル(A.S.Neill,1883-1973)が1921年に設立した小さな寄宿学校で、「世界でいちばん自由な学校」とよばれています。日本では1930年に霜田静志氏によって紹介され、いまも多くの人の関心をよんでいます。「新しい学校をつくる会」代表の堀真一郎(元大阪市立大学教授)は「ニイル研究会」の代表もつとめ、「新訳ニイル選集全5巻」も翻訳しています。
「新しい学校をつくる会」は、1986年に和歌山県橋本市の国城山の中腹に民家を借りて「山の家」を開設し、1988年には同市内の彦谷地区に「村の家」を新築しまた。これらの施設は、年に数回おこなわれる小学生の合宿やミニスクールにつかわれました。いっぽう「新しい学校をつくる会」は、休校となった橋本市立彦谷小学校の施設譲渡を市当局に申し入れました。しかし、交渉は不調に終わったため、地区内に学校用地を取得して、子ども服メーカーの三起商事(ミキハウス)の支援を得て、1992年4月に「きのくに子どもの村小学校」を開校しました。準備をはじめてから7年半もたっていました。学校ができるのを楽しみにしていた多くの子どもたちは、そのとき既に中学生になっていました。
学園のあゆみ
1984年
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9月 |
「新しい学校をつくる会」発足
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1985年
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7月
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「きのくに子どもの村・山の家」開設
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1988年
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7月
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彦谷の宿舎完成。「村の家」と命名
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1992年
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4月
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きのくに子どもの村小学校開校
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1994年
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4月
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きのくに子どもの村中学校開校
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2001年
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4月
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きのくに国際高等専修学校開校
かつやま子どもの村中学校開校
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2002年
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5月
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キルクハニティ子どもの村開設(イギリス・スコットランド)
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2007年
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11月
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自由学校6校の子どもサミット
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2008年
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11月
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日韓の中学校がシンポジウム
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2009年
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4月
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キルクハニティ子どもの村小中学校 開校
北九州子どもの村小学校が姉妹校になる(福岡県、北九州市)
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10月
11月
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南アルプス子どもの村小学校開校
自由学校子どもサミット〜高校生編(日韓4校)
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きのくに子どもの村 小学校・中学校・高等専修学校
きのくに子どもの村学園は、自己決定、個性尊重、体験学習をキーワードにして、縦割り学級や思い切った総合学習「プロジェクト」をとりいれています。教育関係のみならず各方面から注目され、マスコミの取材や内外からの見学もあいついでいます。
2年後の1994年4月には中学校ができました。さらに1998年に開校した高等部「きのくに国際高等専修学校」は広く世界に目を向けると同時に、自分自身と私たちの社会について深く考える学校です。いわゆる普通の高校とは違いますが、卒業すれば大学入学資格も取得でき、しかも柔軟で大胆なカリキュラムを組めます。実際に多くの卒
業生が希望する大学へ進学しています。
「きのくに」のある彦谷地区は市街地から車で20分程度の山奥にあります。木々の緑に囲まれ四季それぞれの花が咲き、何種もの野鳥がさえずっています。夜には星空が楽しめます。
所在地 和歌山県橋本市彦谷51 tel: 0736-33-3370
かつやま子どもの村 小学校・中学校
高等専修学校開校と同年の1998年、福井県勝山市の誘致をうけて「かつやま子どもの村小学校」がスタートしました。2001年には中学校も併設し、福井県内だけでなく全国各地(北は青森、南は福岡)から子どもがきています。
環境や理念は「きのくに」とほとんど同じですが、「きのくによりもさらに少人数で生活や活動ができる」「冬には多くの雪が降る」などの理由で「かつやま」を選んで入学する子もいます。すぐ近くには西日本最大のスキー場「スキージャム」や、日本で一番多く恐竜の化石が取れる発掘現場があり、福井県立恐竜博物館もすぐちかくにあります。
所在地 福井県勝山市北谷町河合5−3 tel: 0779-83-1550
南アルプス子どもの村 小学校 (2009.10.4開校!)
山梨県南アルプス市に、3つめの小学校が開校しました。周りにはモモやブドウなどの果樹園が多く、富士山も見え る場所です。地元の多くの方々の支援と協力を受けて、2009年10月に約20名の子どもたちと開校しました。
南アルプス子どもの村小学校での学習方法は、きのくにやかつやまと同じように、プロジェクト中心の体験学習がいちばん大切にされます。海外のくらしや文化に触れる教育の充実をもめざします。姉妹校であるキルクハニティ子どもの村に数週間滞在することもできます。
所在地 山梨県南アルプス市徳永1717 tel: 0552878205
キルクハニティ子どもの村
きのくに子どもの村学園の設立にあたり、サマーヒルと並んでそのモデルになったのが、イギリスはスコットランドにある「キルクハニティ・ハウス・スクール」です。英国教育省からの度重なる視察と教育改善令の結果、1996年に閉校に追いやられました。
2002年6月、きのくに子どもの村学園がそのキルクハニティの元学校施設を取得し、「キルクハニティ子どもの村」と名づけられました。その後、小中学校のプロジェクト活動、中学校の修学旅行、高等専修学校の海外研修など、多くの子どもたちが滞在して利用しています。
そして2009年4月、学校として正式に開校しました。地元の通学生15人、そして日本の子どもの村から短期に滞在する子どもたちでスタートします。
所在地 Kilquhanity Children`s Village, Castle Douglas, DG7 3DB Scotland UK
URL http://www.kilquhanity-childrens-village.co.uk/ (英語)