きのくに国際高等専修学校 since1998   人生の目的は、幸福、すなわち興味あることを見つけることだ。–A.S.Neill
 

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最終更新:2024. 9. 25
 
 

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「きの高」のココが知りたい!
(協力:きの高「広報部」)


授業について
  学校生活について   
入学・卒業について  学校行事について 
 

◉授業について

Q.きの高の授業の特徴を教えてください。

 選択制の授業が多いことが特徴です。ほとんどの授業は学年に関係なく、自分の興味に合わせて選択できます。内容も珍しく、習ったことを実施する体験学習や本を読む、プレゼン、話し合いなどが多くを占めています。また、英語や数学などは習熟度別にクラスを分けるといった方法が取られています。

 教える教師と生徒の距離が近いのも良いところでしょう。一方的に教えられるのではなく、質問などにも心よく答えてくれます。限られた時間で深く、納得できるように授業が行われています。自分の苦手な範囲に戻ったり、先に進んだり、自分の伸ばしたい科目を勉強できます。だからでしょうか、きの高生は学ぶことに対して貪欲にみえます。(陸人)


Q.英語ができなければ入学できませんか? 

 入試に英語のテストはありますが、必ずしもできなければ入学できないわけではありません(中学校の英語のレベルがあると良さそうです)。この学校におけるグローバル化とは、英語を話せるようになることだけではなく、多様な価値観を知ることです。また、英語の授業は4つのクラスに分かれており、最初のクラス分けテストで各々のレベルに合ったクラスに振り分けられるので、授業についていけなくなることもないと思います。
 しかし、二年生になると海外研修でイギリスへ行くので、英語ができた方が得なのは確かです。向こうで色々な方と交流する際、自分の思っていることを相手に伝えるのに英語はとても役に立ちます。その楽しさを知れるのもこの学校の特徴なので、最初から話せる必要はないですよ。(真輝)


Q.「プロジェクトX」ってなに? 

 社会系の選択授業です。2022年度は、「プロジェクト日本」「土と炎から見た世界」「音楽文化を探る」「農業から見る日本」の4つがあります。各プロジェクトがそれぞれのテーマについて考えを深めていきます。テーマについて調べて、お互いの意見を聞き合ったり議論するだけでなく、時にはやきものを作ったり、畑で野菜を育てたり、演奏したりと体験も通して学びます。
 月曜日は7、8時間目に、水曜日は11時から16時過ぎまでと、たっぷりプロジェクトの時間があります。年に一度は一週間のフィールドワークにも出かけます。前期と後期の終わりには、プロジェクトでやってきたことをプレゼンし合う発表会があります。生徒がもっとも主体的に動く、きの高の目玉授業です。(玉雄)


Q.「個別プロジェクト」では何をするの? 

 この授業は目標を自分で設定し、それを自分で達成する授業です。最初に設定する目標は途中で変わったりしても構いませんが、担任とその目標でいいか話し合って決めます。人によってしていることは様々で、学校がある橋本市を盛り上げようと動いてる人や、ゲームを作ってる人、韓国語を勉強している人もいます。

 「それじゃあ成績はどうつけるの?」そんな質問が出てくると思います。毎回の個別授業が終わると担任に今回の授業では何をしてどうなったかなどの進捗状況を報告します。その内容と学期末にある「個別発表」できの高のみんなに成果を発表し、自己評価を担任の大人が見て最終的な評価を決めます。(周平)


Q.芸術のクラスはありますか。

 毎週木曜日に、芸術選択という選択式の授業があります。ムービー・ディレクション、表現研究、アトリエ、ダンス、ウッドターニング、アンサンブル入門の計6つのクラスがあります。

 ムービー・ディレクションはプロの演出家が、映画の基礎から教えてくれる授業です。自分たちで脚本から撮影、編集まで全て自分たちで行います。学期末に上映会もします。

表現研究は劇を通して表現をすることを学ぶ授業です。自分たちでシナリオから探し、役決め、小道具・大道具作り、立ち稽古などをしていきます。講師の方から教えてもらいながら、発表するところまでやり通します。学期末には発表をしています。

 アトリエの今期のテーマは「写真」です。カメラの使い方から教えてもらい、様々な技法を教えてもらうことができます。写真以外にも油絵や墨で絵を描いたりもしています。

 ダンスは元プロダンサーだった方からダンスの基本を教えてもらいます。表現をするために必要な柔軟や筋トレもします。音楽に乗せて体を自由に動かす楽しさを体験します。

 ウッドターニングは木の角材から器を作るクラスです。機械に木材をセットし、削って器の形にしていきます。削っている時の感触はとても気持ちがよく、和気藹々とみんなで楽しく授業が進んでいます。機械も本格的で、他の学校では滅多に見ない授業だと思います。

 アンサンブル入門は楽器が初めての人から得意な人までみんなでクラシックなどを演奏します。それぞれが楽器を担当し、みんなで曲を作り上げています。学期末に数曲を発表できるように励んでいます。(功太郎)


Q.一般の教科もありますか?

 あります。英語と日本語は全学年必修です。それに加えて一年生は数学、地理、理科(生物)、現代社会、二年生では一年から引き続き数学を学び、歴史(世界史、日本史のどちらかを選択)と理科(化学、物理)、心理学を学びます。三年生は時事問題、歴史、環境の授業があります。

 授業形態はさまざまで、教科書を使うこともあれば、大人が作ったプリントを使うこともあります。また同じ教科でも年度や学年によって担当の大人が変わるので、さまざまなスタイルの授業を受けることができます。例えば英語の授業は週に三回あり、それぞれ担当の大人が違います。英会話、英語の物語や伝記を読む、文法を学びそれを使って英文を書く、ニュースや洋楽の聞き取りをするなど、バラエティー豊かな授業を楽しめます。(あさひ)


Q.宿題は大変?

 いわゆる宿題は出ませんが、授業によっては課題が出ます。例えば、テストの代わりに提出したレポートで評価をつける授業では、授業中にレポートを書く時間を取ることはあまりなく、放課後や週末を利用して書き上げないと間に合わないというケースが多くあります。毎日そのような課題が出ることはありませんが、期末評価ウィークが近くなると、自主的に寮で勉強したりと自分に宿題を出す人も見られます。(玉雄)


Q.テストはあるの?

 テストはあります。きの高は前期と後期の2学期制のため、学期末にテストがあります。内容は授業ごとに違い、筆記からレポート作成、英語でのプレゼンテーションまで形式は様々です。テストウィークの週は学校や寮でもプレゼンの練習などをしている人が多くいます。(功太郎)


Q.評価はつきますか?

 はい、つきます。評価はA~Fの6段階があります。期末評価ウィークでのテストや普段の授業態度で評価がつきます。評価をつける理由は進学や就職に必要だからです。ちなみに授業を1年間のうちの4分の1以上を欠席すると最低評価のFがつき、留年してしまうこともあります。(玉雄)

Q.フィールドワークとはなんでしょうか。

 きの高の「フィールドワーク」には二種類あります。一つは、一週間の授業がすべてプロジェクトになる週のことです。年に1度11月にあり、この一週間を使って自分たちの活動をさらに深めるべく、お出かけに行きます。どこも行かずに学校でプロジェクトをすることもできます。

 そしてもう一つは、個人で出かけることができる制度の意味の「フィールドワーク」です。こちらは授業がある日に、きの高で扱っていない興味がある講演会や授業でやっていることを深めるために出かけても出席扱いになる制度です。その日の自分が受ける授業の大人に承諾のサインをもらい、大人の会議に通ると行くことができます。(玉雄)

Q . 海外研修とはどこで何をするのですか。 

 高校2年生は、夏になると約1ヶ月イギリスにあるキルクハニティに滞在します。キルクハニティはきのくにができるきっかけになった学校のひとつです。今はもう閉校になってしまいましたが、子どもの村が買い取り、毎年たくさんのきのくに生が足を運んでいます。

 そこで英語を学んだり、イギリスの料理を教えてもらったり、生徒が物語を考え英語で脚本を書き、衣装を手作りし、現地の人たちの前で披露したりします。それらを通して、日本ではなかなか味わうことのできない他国の価値観や、雰囲気などを知ることができる授業です。

 キルクハニティだけにとどまらず、一週間ほどイギリス各地を見てまわる旅行にも行きます。知りたいこと、見たいもの、行きたい場所を生徒たちで出し合い、長い話し合いをへて旅行の行先を決めます。これらの経験やイギリスに行くまでの話し合い、レポートなどが単位として評価されます。

 話し合いやレポートで苦労することもありますが、きの高生が3年間でいちばんと言っても良いほど、楽しみにしている授業です。イギリスから帰ってきたそばから「キルクハニティに帰りたいなぁ」という声がたくさん聞こえます。(そら)


Q.卒業発表とはどのような発表ですか。

 卒業発表は高校3年生が「きの高で学んだこと」をテーマに一人ずつ発表するイベントです。毎年行われており、テーマは同じでも内容が全員違うところが醍醐味です。学年問わず、多くのきの高生や保護者の人が楽しみにしています。3年生は自分の発表内容以外にも聞いている人が飽きないような工夫も考えないといけません。年によって様々な工夫が施され、それも楽しみの一つとなっています。(功太郎)

 

◉学校生活について

Q.校則は厳しいの? 

 きのくにでは校則のことを「きまり」とよび、公立の学校のように厳しくはありません。バイク、車通学は禁止というきまりはありますが、ほとんどは生徒たちが話し合いできめたものです。日頃の生活に不便なことがあれば新しくきまりを提案することもできますし、その逆で今あるきまりをなくすこともできます。(周平)


Q.寮生活はどんな感じ? 

 寮は学校から約5分ほど歩いた場所にあります。そこでは毎年、約50人の生徒が共同生活をしています。建物は本館、別館、新館、最新館の4館で、その中から選んだ個室を自由にカスタマイズして暮らしています。食堂や談話室などの共用スペースでは、テレビを見たり、レポートを書いたり、楽しく談笑する人がいます。

 一日は当番の人が作ってくれる朝食を食べることから始まり、9時までに学校に登校します。授業が終われば寮に帰ることができ、夕方6時半の夕食までに全員帰ってきます。お風呂は5時半~10時の間であれば好きなタイミングで入ることができます。友達の部屋は夜10時まで、共有スペースは11時までと決まっていますが、就寝時間は決まっていません。自室では勉強したり、本を読んだり、ゲームをしたりと、自由に過ごすことができます。

 寮で生活する中で困ることやお願いしたいことがあれば、2週に一回開かれるミーティングで議題に出せば、話し合いで解決できます。議題として挙がるのは、問題やお知らせだけでなく「パーティーをしたい!」という楽しい提案も多いです。

 日々多くの学生と関わりお互いを知ることができる。そんな寮は、多くの友達とより深くコミュニケーションがとれる場所です。(凜之介)

 

Q.通学生はどうやって学校に来るの? 

 月曜日は午前10:30に橋本駅から学校の通学バスが出ます。火曜日から金曜日は、橋本駅から8時30分に出発します。月曜日から木曜日の帰りのバスは17時20分に学校を出ます。橋本市内に住んでいる人も多いので、林間田園都市駅周辺まで行ってくれるバスもあります。

 バスの出発が遅れてしまうと、授業に遅刻したり、帰りの列車に乗り遅れてしまうので、通学生は常に時間厳守です。そして、バスに乗り遅れると、学校までタクシーで行かなくてはならなくなります。学校まで1時間半近くかかるところに住んでいる人もいれば、最寄りの駅から家まで20分近く歩く人もいるので、家に帰ってきた頃にはヘトヘトです。

 そんな通学生ですが、もちろん悪いことばかりではありません。建物は隣接しているのに、普段はあまり接点のない小・中学生と同じバスなので、学年の壁を超えて話に花を咲かせる人もおり、通学バスを通して仲良くなることも多いです。きの高を受験しようと考えている中3の子がきの高の話を聞ける貴重な時間でもあります。また、山のむこうに沈んでいく美しい夕日や、夕闇に染まっていく街を通学バスや列車から見られるのは、通学生の特権と言っても良いかもしれません。(颯祐)


Q.昼休みや放課後はどのように過ごしているの? 

 授業の間には10分間の休憩がありますが、次の授業の準備をして少し息をつくと終わってしまいます。

 昼休みは1240分から140分までの1時間で、ご飯を食べる時間も含まれています。早くご飯を済ませて体育館でスポーツをしたり、ゆっくりご飯を食べながら友達とおしゃべりをしている子もいます。お昼ごはんの片付けや皿洗いなどは生徒が当番で回します。

 放課後になると、みんな思い思い過ごします。レポートや課題に追われている人もいれば、昼休み同様にスポーツをしている人もいますし、早く寮に帰ってゆっくりする人もいます。ちなみに今は、バスケが流行っています。(周平)

 

Q.ごはんはどこで食べますか。 

 朝ごはんは高校生が作り、寮の食堂で食べます。1チーム3人でなにを作るかも自分たちで決められるので、自分たちが食べたいものを作ることができます。料理を作る機会が滅多にないので、みんな張り切って作っています。今までに唐揚げ、フレンチトースト、バターチキンカレー、油淋鶏などが出ました。

 昼ごはん、晩ごはんは喜八さんという仕出し屋さんが学校に給食を届けてくれます。ご飯は自分でよそうので自分が食べたい量を取れます。そして嫌いなものは無理に取らなくていいのです。今までにハンバーグ、とり鍋、チャーハン、カレー、海鮮八宝菜、たらこスパゲッティなどが出ました。(玉雄)


Q.おやつが出ると聞きましたが。
 毎日出ます。月曜日はお菓子、火曜日から金曜日はパンが出ます。小中高とおやつがあるのは、「おなかが空くからおやつが食べたい」という子どもたちの希望があったからです。しかし、家の事情で持ってこられない子もいるかもしれない、という理由でみんなが平等に食べられるように学校でおやつが出るようになりました。

 高専だけにパンが出るのは、これもまた高専の子たちが「もっとお腹にたまるものが食べたい」という意見があったからです。橋本市のパン屋さんから買っているパンはいろいろな種類があり、おいしいです。お菓子は、おやつ当番の子が食べたいものを選んで買っています。(愛)

 

◉入学・卒業について

Q.全寮制ですか。

 全寮制ではありません。通学生もいます。

 寮生には週末帰宅生と長期滞在生がいます。基本は週末帰宅ですが、家が遠い場合、土日に滞在できるのが長期生です。ただし、長期生も1ヶ月に一度は帰宅します。


Q.中学校に行っていないのですが、入れますか。

 本校は、不登校の子を対象としたいわゆるフリースクールではありません。ですが、中学校に通っていないという理由でお断りすることもありません。あくまで、本校の入学試験と面接で判断します。


Q.途中編入はできますか。

 1、2年制への途中編入は、制度上は可能です。それまでの学校での出席状況によって、年度の途中からの編入もできます。詳しくはご相談ください。

人数の都合上、編入ができないことがあります。なお、3年生への編入はできません。


Q.卒業後はどのような道に進むのですか。

 教育や外国語、国際問題や芸術、法律などに興味を持ち、それらを学ぶために文系の大学に進学する人が多いです。その他には、足りない教科を自分で勉強して理系に進んだり、留学、就職をする人もいます。


Q.高卒と扱いは同じですか。

 学校教育法第11章に定められた学校です。高等学校(一般の高校)の卒業にはなりませんが、同等の資格があります。卒業後は、大学や国家試験の受験もほぼ同じように可能です。(ただし、一部の大学は推薦入試を受けられない場合があります。)


 

◉学校行事について

Q.運動会や文化祭はあるの? 

 一般的な学校の行事とは違う点がありますが、運動会やお祭りなどは毎年あります。小・中と建物が隣なので、大きなイベントをする時はみんな一緒です。

 子どもの村は、子どもたちが主体で考えることが特徴なので、運動会やお祭りもそれぞれ委員会を作り、自分たちで1から考えます。企画するのが好きな子などは色んな委員会に入っています。他にも運動会でいえば、委員になれば当日は大忙しですが、練習がなかったり、その日出たいと思った種目に自由に参加できるので、色んな運動会の楽しみ方があります。

 もしクリスマスパーティーや夏祭りなど、したかったらミーティングで提案してくださいね!(ひなた)


Q.委員会とは、いわゆる生徒会ですか?

 生徒会ではありません。委員会は行事のたびに有志で集まり、自分たちでしたいことを決めています。一から決めるので、入学を祝う会や運動会、卒業を祝う会は毎年のように内容が変わります。高専生だけの委員会もあれば、小学生・中学生・高専生が一緒になって話し合う委員会もあります。(ちから)