教育目標・・・「自由な子ども」
感情、知性、人間関係のいずれの面でも自由な子どもに育ってほしいと願っています。
感情面での自由・・・緊張から解放され、自己肯定感をもって生きる
無意識の中に秘められた不安、緊張、自己否定感などから解放され、
情緒が生き生きと躍動すると同時に、自己意識がしっかりしていて、
しかも自信と自己肯定感を持って生きる。
知性の自由…繊細な感覚と旺盛な好奇心を持ち、
小さな科学者として考える
既成の知識や技術を受け身的に学習するのではなく、
生活の中から見つけた具体的な課題に取り組み、
知識や技術を創造する体験を積み重ねて、知的探求の態度と力を伸ばす。
人間関係の自由・・・共に生きる喜びと知恵を持つ
道徳教育によってではなく、心理的に自立した個人として、
自分自身をはっきり意識する。
そしてみんなと目標を共有し、役割を分担して問題を解決し、
共に生きる喜びを味わい、人間関係のすべを学ぶ。
基本方針・・・自己決定、個性尊重、体験学習
自己決定の原則・・・子どもがいろいろなことを決めます。
学習計画や行事の立案が子どもと大人の話し合いで決まります。自分の入るクラスが選べます。クラスミーティング、寮のミーティング、そして全校集会など、話し合いのとても多い学校です。
大人がすべてを決める教師中心主義ではなくて、子ども自身の発想、話し合い、実験、検証、評価などを大事にします。
もっとも、そのためには教師は周到に学習材を準備し、環境を整えねばなりません。
自由な学校の教師はとても忙しいのです。
個性化の原則・・・一人ひとりの違いや興味が大事にされます。
個性や個人差を尊重します。年齢が同じだからといって、同じことを同じ方法で、
同じペースで、同じ答えに向かって学習するのではありません。
ひろい範囲のさまざまな学習や活動が選べます。
学年にとらわれないグルーピングや学級編成をして、
個別活動、小集団活動、全体活動を柔軟に組み合わせます。
体験学習の原則・・・直接体験や実際生活が学習の中心になっています。
本やドリルの勉強よりも、実際に作ったり調べ
たりする活動が重視され、
「プロジェクト」と呼ばれて時間割の半分を占めています。
プロジェクトのテーマによってクラスがつくられ、子どもが自分でクラスを選びます。
各プロジェクトの活動のテーマは教科の枠をはずして、主として衣食住など生きることそのものに題材を求め、
具体的な課題を話し合いで設定し、考える態度と能力だけでなく、
幅広い知識や技術を身につけてもらおうとします。
この3つの基本方針が調和的に実行される形が、子どもの村の目玉でもあるプロジェクトです。