時 間 割
ある年の小学校時間割
プロジェクトとは
授業の大半は「プロジェクト」と呼ばれる完全な縦割りのクラスでおこなわれます。各クラスにはプロジェクトの活動テーマがあります。そして、子ども自身が入りたいクラスを選びます。毎年、活動テーマや友達や大人の顔を見て、子どもたちは真剣に考えます。そうしていろいろな年齢の子どもたちが集まって、協力して活動を進めます。
プロジェクトは教科学習の寄せ集めではありません。教科 を学ぶために活動するのではなく、それ自体が活動の目的 となるものです。
子どもの村の3つの原則、「自己決定」「個性尊重」「体験学習」が調和的に実行される学習形態で、有名な教育学者デューイが提唱した「活動的な仕事」にあたります。
(左写真)おいしいものをつくる会(烏骨鶏小屋づくり 2010.7)
2024年度の南アルプス子どもの村小学校には、5つのプロジェクトがあります。
クラフトセンター(建築、木工など) ・・・「ものづくりをとおして自分たちの暮らしを考える」
おいしいものをつくる会(料理、農業など)・・・「料理を思う存分に楽しみ、人のくらしを考える」
劇団みなみ座(劇、表現など) ・・・「体全体で自己を表現し、気持ちを解放させる」
わくわくファーム(羊養育、糸、布など) ・・・「羊の成長とともに、毛糸を紡いでくらしをさらに楽しく豊かにする」
ひらめ木工房(おもちゃづくり・木工・園芸など)・・・「ものづくりと大工仕事をおもいきり楽しみ、生活をゆたかにする」
基礎学習
学習の題材や教材に抽象的なものも入ってきます。
そのため体験学習の比率は少なくなりますが、個性化と自己決定の原則は貫かれています。
具体的には、プロジェクトの中で生じた問題を解決するための資料を収集したり、関連教科の学習をしたり、いわゆる読み書き算のような基礎技術を習得したりします。「ことば」「かず」と呼ばれています。 また、1年生から英語の授業があります。
かずの学習のようす(2010.5) 英語は世界を知ろうという、国際理解がテーマ
自由選択
グループで、あるいは集団でおこなわれる活動が多いのが特徴です。具体的には、合唱、アトリエ、工作、クッキング、ダンス、野球など、体育や図 画工作、音楽に関するものが多くなっています。学期ごとに1週間に3つの自由選択の時間があります。
ミーティング
週1回の全校ミーティングのほかに、クラスや寮でもたくさんのミーティングがあります。クラスの活動や困ったこと、パーティーなど楽しい計画などもみんなで話し合います。子どもも大人もおなじ一票です。
遠足委員会やの犬委員会などの委員会もあります。ミーティングをより充実したものにするための委員会もあります。
ミーティングは自由学校の成否を左右するカギです。
キルクハニティ子どもの村
イギリスのスコットランドにあるキルクハニティは、きのくに子どもの村学園がモデルにした自由学校です。1996年に閉鎖しましたが、自由教育の灯をともし続けようと学園が跡を継ぎました。子どもの村からたくさんの小学生がキルクハニティに出かけています。
イギリスでの生活を通して、海外の暮らしや文化をじかに感じるとてもいい機会になっています。
キルクハニティ子どもの村(Scotland) 2010年秋には、南アルプス子どもの村小学校から10数名が3週間滞在します。