2014.10.3発行
お別れではなく、友情と再会をちかって
完成したレストランハットを使って、パーティを開きました。アンドルーさんのお友だちも参加してくださいました。
パーティのごちそうは、もちろん手づくり。「日本とイギリスの料理、どっちもつくろう!」と、もりだくさんのメニューになりました。まきずし、味噌スープ、ベーコンスープ、シェパードパイ、サーモングリル、アップルクランブル、ショートブレッド。タマネギのみじん切りに涙をこぼし、大きなサーモンに驚きながら、たくさんの料理をしあげました。
英語の挨拶でスタート。25人のシェフたちが料理をすすめます。まきずしも味噌スープも大好評で、大きな焚き火を囲んで食事を楽しみました。
サイエンスでつくった気球も飛ばします。みんなが見守る中、気球の下から熱い空気を送り込むと…「うわーあがったー!」建物を越えて空へとあがっていく気球に大興奮でした。
最後は『Auld Lang Syne』です。日本では『蛍の光』ですが、もともとのスコットランド民謡は、友情を誓い合い、共に飲み明かそうという明るい歌です。次にまた会えることを願って、全員で手をつないで歌いました。
最高の天気、最高の旅行
楽しみにしていたハイランド旅行。スコットランドに来たら、毎日雨がふっても文句はいえないのですが…旅行でも空はきれいに晴れ上がりました。「なんてラッキー!」と大人。「日ごろの行いがいいからだよ」と子ども。
「うわ~、すごい景色…」
グレンコーの丘の上にのぼったときの第一声です。目の下に広がる景色に思わず見とれています。そして、たいていの子がこういうのです。「ちょっとあっちまで、行ってきてもいい?」
大人が「いいよ、10分したら帰ってきてね」というと、これまた、たいていの子が「やったー!」と言って駆け出します。どこまでも広がっていくような緑の谷間に、両手を広げて走っていきます。走らずにはいられない、そんな場所なのです。
そして必ず何人かが転んで、ちょっとしょんぼり。今回も「あ~あ、まだ旅行1日目なのにクツが…」と言っていました。でも、こんなときのために代えグツをもってきているのです。自分でサッとはきかえて、「次はどんな所かな? 楽しみ~」
このグレンコーは「すすり泣きの谷」とも呼ばれています。マクドナルド一族の悲劇の歴史があるのです。教科書には名誉革命と載っているできごとの裏で起こっていた悲しい事実。ビジターセンターの前で、みんな目をみはって堀さんの話に聞き入りました。今自分たちがいる、この場所で起こったできごとに思いをよせているようでした。
今回はキルクハニティに行くのが初めてという子がたくさん参加してくれました。それだけに新鮮な驚きと感動がたくさん生まれました。そして何度か来ている子は余裕の表情で「何度きても、また違って見えるんだよね」と言いながら、初めての子にさりげなくアドバイスしてくれました。
朝おきると、もう外で遊んでいる子の声が聞こえています。ターザンロープのスリルを楽しみ、芝生でサッカー。なんだか口のまわりが黒い子はひみつの場所でブラックベリーつみ。スレートの石を拾ってきて、ピカピカにとぐ石包丁づくりも流行りました。
出発してドバイの空港についたとき、1年生の女の子が不思議そうに話していました。「ねえ、なんかここは外国の人ばっかりだね」「ほんとだねぇ」(まわりから見たら、私たちのほうが「外国の人」なのでしょうが…。)
ごはんや飲みもの、お店の中で売っているものなど身近なものからはじまって、ヒツジや牛がいる景色にも「日本と全然ちがう」「かわってるね~」「どうして、こうなの?」「でもさ、同じところもあるじゃん」と次々に口にする子どもたち。
アンドルーさんやガビンさんのレッスンはもちろん英語。でも、よ~く見て、聞いているとなんとなく分かるのです。そして、子どもたちがわかってくると、アンドルーさんたちも嬉しそう。ちがうところはあっても分かる。全部ではなくても伝わっていく。その感覚を自分の体で受けとめた3週間でした。出発する前を思い出すと、日本に帰ってきたときには、みんなの表情がずいぶんかわって見えました。
出発や帰国時の送り迎えや、荷物の準備など、ご協力ありがとうございました。これから本づくりが始まります。ただいま原稿書きの真っ最中です。どんな内容になるか、お楽しみに。
2014.9.19発行
イギリスでの生活もすっかり慣れてきました。休み時間には広い芝生のうえでのびのびとサッカーをしたり、きれいな景色をスケッチしている子がいます。元気にツリーハットで遊んでいる子もいれば、楽しかったレッスンや活動を忘れないうちにと原稿をいっぱい書いている子も。みんなたっぷりとキルクハ二ティの空気を味わっています。「3週間は短すぎるよ~」「もっとイギリスにいたいな」滞在できる時間は少なくなりましたが、まだまだ、たくさん思い出をつくります。来週は3泊4日のハイランド旅行へ行ってきます。
湖水地方におでかけしてきました
キルクハ二ティから3時間。アンドルーさんもいっしょにイングランドの湖水地方へ行ってきました。まずはレイブングラス駅からミニSLに乗り、40分間の列車の旅です。もくもくと煙をだし、小さいながらも力強く走る本物の蒸気機関車に「すごいパワーだね!」と、大興奮。気持ちいい風に吹かれながら、美しい湖水地方の景色を楽しみました。
到着駅のエスクデイル駅から10分ほどの場所にあるイングランドでいちばん歴史ある水車小屋の見学をしました。なんと、500年も前から動いている水車で昔から変わらない方法で粉が挽かれています。水車がどのような仕組みになっているのか、堀さんに通訳してもらいながら説明をききました。大きな石臼や、小屋の中にある道具など、どの子も興味深げに見ていました。
『ポターの世界』ピーターラビットのふるさとへ
最後に向かったのは、世界でいちばん有名なウサギの物語「ピーターラビット」のミュージアムです。建物の中は、まさに物語の世界。「あっ、マグレガーさんだ!」「これ、アヒルのジマイマだよね?」ピーターラビットの本をすべて読んだことのある子も、ほとんど初めて知った子も、みんな夢中になって展示を見たり、説明を読んだりしていました。
イギリスの食べものを調べてみよう
イギリスにはどんな食材があるのでしょうか。品物の売られ方など、日本とのちがいは何でしょう?カッスルダグラスの町にあるTESCOへ行き、パン、乳製品、魚、肉、粉類や缶詰など、16種類の食材を調べてみました。「肉はかたまりで売っていたよ」「ニシンの燻製があったけど、黄色で不思議な色だった」「日本のよりも大きな野菜がたくさんあったよ」「1Lパックで売っている牛乳はなかったなあ」 実にたくさんの発見がありました。こちらの主食であるパンはとても安く、種類もたいへん豊富です。しかし、お米は高く日本の倍ちかい値段で売られていました。果物もたくさんありましたが、いろいろな国から輸入しているというのもわかりました。
レストランハット完成!!
みんなでアイデアを出し合い、いっぱい工夫をこらしたレストランハットができました。
昨年、つくったものを修理して、さらに食器や道具をおけるスペース(パントリー)を増築しました。中で作業をする人も、お客様にとっても使いやすいレストランハットです。はじめて大きな木を切るちいさな子も、ものづくりの経験が多い子も、声をかけあい、力を合わせて完成しました。
「何もない所に新しいものをつくるのは簡単。でも、もともとあるものとのバランスを考えながら建て増したり、リフォームしたりするのはものすごくむずかしいんだよ。みんなとてもいい仕事をしたね。」プロジェクトに協力してくれたガビンさんからもほめていたただきました。
週末にパーティーを開き、1年と2ヶ月ぶりにKilquhanity Children’s Restaurantがオープンします。お世話になった方へ感謝の気持ちを込めて、日本食とイギリスの料理をふるまいます。帰国前、最後のプロジェクトにどの子もはりきっています。
2014.9.12発行
無事に着きました。みんな元気です!
出発の日を迎えました。成田空港で集まると、初めて国際線の飛行機に乗る子はちょっぴり緊張ぎみ。でも、みんなワクワクしているのが伝わってきます。チェックインして荷物を預け、お見送りの保護者の方に手を振りました。
出国審査を通って、いよいよ機内へ。飛行機が動き出すと小さな歓声があがりました。「飛んだー!」
窓側の子は、顔をくっつけるようにしてのぞいています。乗務員さんがおもちゃを配ってくれると笑顔で「サンキュー!」、飲みものを聞かれると「アップルジュース、プリーズ」としっかり答えている子もいました。おいしい機内食の後はゲームや映画を楽しみました。
ドバイに着いたのは現地で夜中の3時すぎ。3時間待ってから次の飛行機に乗り7時間半。「お~、とうとうイギリスに着いたぞ!」
空港で待っていてくれたのはアンドルーさんとガビンさん。みんなを温かい笑顔で迎えてくれました。トレーラーつきバスでキルクハニティに到着。「ここがキルクハニティか~。すごく広いなぁ」
日本から20時間以上の長い旅でした。準備とお見送り、ありがとうございました。
さっそくイギリスのお庭へ
着いた翌日、近くにあるお庭にでかけました。広々とした敷地に、たくさんの花が咲いています。滝の落ちてくる池や壁に囲まれた庭、ロックガーデン、林の中の小道も通っていけます。「日本でみたことのない花があるよ」「お庭にも、いろいろあるね」とゆったり歩きながら楽しみました。「イギリスの人って、こんな場所で楽しむんだねぇ」とうらやましそうな声も。1時間があっという間でした。
お天気にめぐまれて
到着したときは「思ったより寒いね」と言う子がたくさんいましたが、翌日から晴れの日が続き、日中は半袖ですごす子もいます。こんなにお天気が続くのもめずらしい。「暖かい日だから川に行くのはどう?」ガビンさんのスポーツでは、近くにある川にでかけました。裸足になって水の感触を楽しみながら川の中を歩くのです。「ぬれたけど、すっごく楽しかった」「イギリスの川って、どうしてコーラの色なの?」
天気がいいので、プロジェクトの話し合いも外でしました。昨年に建てたレストランハットを使いやすくきれいにして、新しくなったレストランでおいしいごはんを出そうという計画です。日本食の材料も手分けをしてもってきました。
建物をじっくり見てみると、たくさんのアイデアが出ました。壊れているところを修理する、裏口をつくる、建て増しして物がおけるようにする、作業台や棚をつくろう、踏み台やカウンターを工夫して使いやすく、飾りをつけておしゃれな建物にしたい…。来週からはさっそく工事を始めます。忙しくなりそうです。
レッスンも始まった
今回は3つのレッスンがあります。アンドルーさんのサイエンスと英語、ガビンさんのスポーツです。サイエンスでは、バルーン(熱気球)づくりが始まりました。レストランが完成したら、色とりどりのバルーンを飛ばしてお祝いできるかも。アンドルーさんは「みんなの身の回りのもの、全部がサイエンスだよ」と話をしてくれました。
英語のレッスンは挨拶や歌を練習しています。身振り手振りをまじえての楽しい授業で、笑い声がたえません。
土曜日はおこづかいをもらって買いものをして、イギリスの食材も調べてくる予定です。